手術支援ロボット「Hugo」

手術支援ロボット「Hugo」について

■ ロボット支援下手術とは

 医師の動作をロボットが再現して手術を行う(ロボットを道具として使って手術を行う)もので、そのため「支援下」となっています。
 腹腔鏡(ふくくうきょう)手術と同じ要領で患者さんのお腹に小さな穴を数か所開け、手術器具を取り付けたロボットアームと内視鏡を挿入し、医師がサージョンコンソールと呼ばれる操作ボックスに座り、内視鏡画像を見ながら操作して手術をします。
 例えばお腹の手術ではこれまで開腹手術と腹腔鏡手術が行われてきましたが、両方の手術の利点を併せたものが、ロボット支援下手術だといえます。


■ 手術支援ロボットの長所

 腹腔鏡手術ではまっすぐな約 50 ㎝もある長い鉗子(かんし)などの道具で手術を行うので、道具が届かない、操作しにくいなどの場所ができてしまったり、手元の動きと鉗子の動きが逆方向になったりする場面があり、腹腔鏡手術の弱点と言われてきました。
 しかし、ロボット支援下手術ではロボットアームが360°以上自在に曲がるため、人間の手首や指と同じように自然な動きが可能で、手ぶれ防止機能も備わっていることから、より繊細な操作ができるようになっています。



 また、術者はコンソールで3次元立体画像を見ながら手術ができ、視野を拡大することができ、カメラ自体も術者が自在に操作できますのでより細かい解剖を把握しながら手術を行うことができます。ロボット支援により繊細で精密な手術が行えるため、手術成績の向上が期待されています。従来の開腹・開胸手術と比較して、通常の腹腔鏡・胸腔鏡手術と同様に、傷が小さく痛みが軽度で、手術後の回復が早い、手術中の出血量が少ないなどの利点があります。


■ 日本で 12 台目の Hugo RAS システムを導入

 当院では 2022 年 12 月に日本で発売開始となった最新の Hugo RASシステム (ヒューゴ、Medtronic 社)を導入いたしました。日本で12台目、北関東では初の導入です。














■ Hugo の利点

・4本のロボットアームがそれぞれ独立しており、症例や患者さんに応じて柔軟な配置が可能で自由度が増しています。
・術者の座るコンソールでモニター画面が目線の高さにあるオープンコンソールとなっています。これにより術者の負担軽減や、ほかのスタッフが画面を共有できる、手術室全体を見渡しやすいといった利点があります。

 

実際の外科手術の様子


実際の泌尿器科手術の様子



■ 今後の展望

 当院では Hugo 導入以降、シミュレーションやトレーニング、手術見学などを積み重ね、また、医療安全面の整備などを行い 2024年7月に泌尿器科でロボット支援下前立腺手術を、9月に外科でロボット支援下直腸手術をスタートしました。     
 がん患者さんの治療選択肢がさらに増えるものと考えておりますので、お気軽にご相談ください。


院外広報ほほえみ(第一症例:前立腺がんロボット支援下手術実施報告)
YouTube(紹介動画) Hugo導入紹介冊子