地球温暖化対策実行計画について
桐生厚生総合病院地球温暖化対策実行計画
1 計画の目的
地球温暖化対策実行計画は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」第21条の規定により計画の策定が義務づけられており、病院事業に関する温室効果ガスの排出抑制などの措置をとることにより、地球温暖化防止対策を推進することを定めたものです。
削減目標としましては、COP21で採択されたパリ協定や、平成27年7月に日本が国連に提出した「日本の約束草案」を踏まえて平成28年5月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」に、2030年度の削減目標を2013年度比で26.0%減(2005年度比で25.4%減)とするとあることから、桐生厚生総合病院では2007年度(平成19年度)を基準年度とし、温室効果ガス削減目標を2030年度(令和12年度)までに25.4%の削減といたします。
2 計画の期間及び範囲
(1)計画の期間
計画の期間は、令和2年度から令和12年度までの11年間とします。
尚、削減目標の基準年度は平成19年度とします。
(2)計画の範囲
この計画の対象は院内における事務及び診療業務全般で排出される温室効果ガスとします。また、行政財産の委託業者は、必要に応じて措置を講ずるよう要請いたします。
3 計画の対象となる温室効果ガス
計画の対象となる温室効果ガスは、次の表に示す1物質とします。
ガスの種類 | 人為的な発生源 | 主な対策 |
---|---|---|
二酸化炭素 (CO2) | 産業、民生、運輸部門などにおける燃料に伴うものが全体の90%以上を占め、温暖化への影響も大きい。 | 省エネ設備の導入。設備の運転管理の徹底。その他、 省エネの啓蒙等。 |
※「地球温暖化対策の推進に関する法律」第2条に定める6種類の温室効果ガスがありますが、他の5種は
使用されていない、使用されていてもほとんど影響のない数値であり、対象から除外いたしました。
(参考) 温室効果ガス排出量算定に用いる排出係数
温室効果ガス | 調 査 | 項 目 | 排出係数 | 温暖化係数 | 活動の種類 |
---|---|---|---|---|---|
二酸化炭素 | 燃料使用量 | A重油 | 0.0189 | 1 | 非常用発電燃料 |
都市ガス | 0.0136 | ボイラー・厨房 | |||
電気使用量 | 東京電力エナジーパートナー | 0.468 | 電力の使用 |
※ 排出係数:群馬県環境森林部気候変動対策課作成の温室効果ガス排出算定表(R2年4月改訂)による。
4 温室効果ガスの削減目標
(1)温室効果ガス排出量の削減目標
平成19年度(基準年度)における桐生厚生総合病院の温室効果ガスの排出量は、5,223t (CO2換算)となっています。
活動の種類 | 目標削減率 | 基準温室効果ガス排出量 | 令和12年度目標値 |
---|---|---|---|
二酸化炭素 | 25.4% | 5,223 | 3,896 |
令和12年度までに、桐生厚生総合病院から排出される温室ガスの排出量を平成19年度比で25.4%削減する。
温室効果ガス排出量の実績値は、群馬県環境森林部気候変動対策課が作成した温室効果ガス排出算定表を利用して算出したものとします。
5 取組みの基本方針
病院から排出される温室効果ガスへの「取組目標」と「温室効果ガスの排出抑制対策に直接的に役立つ取組み」を基本方針とします。また、計画終了後に達成状況を検証するとともに当院ホームページで削減量等を公表します。
(1)温室効果ガスの排出抑制に直接的に役立つ具体的な取組み
削減項目 | 取 組 み 項 目 |
---|---|
1 電力使用量 | ・熱搬送用2次ポンプインバ-タ導入による推定末端圧制御 ・外調機のCO2濃度による変風量制御 ・手術室系統温度、湿度ゼロエナジ-バンド制御 ・空調機温度補償による間欠運転制御 ・熱源(冷暖房)システムの再構築 ・誘導灯器具のLED化 ・照明器具のLED化 ・全熱交換設備を更新し熱交換のロスを最小限にする ・エレベーター設備を更新し電力量を削減する ・空調温度の適正化。 ・空調機器、OA機器、医療機器等の導入、 更新は出来る限り省エネタイプを導入する ・断熱性向上のための材料を導入する |
2 燃料使用量 | ・外調機のCO2濃度による変風量制御 ・手術室系統温度、湿度ゼロエナジ-バンド制御 ・熱源(冷暖房)システムの再構築 ・断熱ジャケットの採用 ・全熱交換設備を更新し熱交換のロスを最小限にする ・設備運転時間の管理 ・断熱性向上のための材料を導入する |
3 水道使用量 | ・節水型水栓の導入 ・水道水圧の調整を行う ・水漏れの点検を徹底する ・井戸水の利用 |
6 実行計画の実施・推進体制
(1)計画の推進
単年度ごとに「温室効果ガス排出削減計画」を県あてに提出しておりますが、複数年にわたる実行計画となり、推進体制をしっかり確立の上、「桐生市環境基本計画」の一助とならなければなりません。院長を中心とした推進本部の下、温暖化対策委員会を設置し計画の推進に対応する。
(2)点検・分析
委員会の事務局は定期的に省エネ対策(温室効果ガスの排出量を含む)を集計、分析し、温暖化対策推進本部に報告する。また、病院職員等から提案、報告等、必要に応じて委員会を開催し協議・検討とする。
(3)評価・公表
委員会は省エネ状況について報告書、提言書を評価し推進本部に報告、必要に応じて公表を考える。また、併せて評価した結果を職員等に対してフィ-ドバックする。
(4)推進体制の組織図
推進体制 (桐生厚生総合病院地球温暖化対策実行計画)
地球温暖化対策推進本部
役 職 | 職 名 |
---|---|
地球温暖化対策管理統括者 | 院 長 |
地球温暖化対策管理副統括者 | 副 院 長 |
地球温暖化対策企画推進者 | エネルギー管理員取得者 |
事 務 局 | 契約管財課 施設係 |
↑ (報告、提言等)
地球温暖化対策委員会
役 職 | 職 名 |
---|---|
委 員 長 | 事 務 長 |
委 員 | 総 務 課 長 |
委 員 | 経 営 政 策 課 長 |
委 員 | 契 約 管 財 課 長 |
委 員 | 医 事 課 長 |
委 員 | 地域医療連携室主幹 |
事 務 局 | 契約管財課施設係 |
↑ (報告、提言等)
病院勤務者等
7 平成27年度改訂した地球温暖化対策実行計画の検証報告
(1)計画の期間
平成27年度から平成31年度までの5年間。
(2)削減計画
平成31年度までに、桐生厚生総合病院から排出される温室ガスの排出量を平成19年度比で15.0%削減する。
年度 | 平成19年度 | 平成31年度目標値 |
---|---|---|
温室効果ガス排出量(t-CO2) | 5,223 | 4,440 |
(3)温室効果ガス排出量削減計画の検証
項 目 | 単 位 | 平成19年度実績 | 平成31年度目標 | 令和元年(平成31)度実績 | 削減率 |
---|---|---|---|---|---|
温室効果ガス排出量 | t-CO2 | 5,223 | 4,440 | 4,096 | 21.5% |
(4)光熱水の使用量に基づく使用量削減の検証
項 目 | 平成19年度実績 | 平成31年度目標 | 令和元年(平成31年)度実績 | 削減量(H19-H31) |
---|---|---|---|---|
電気使用量 | 7,182,000 | 6,607,400 | 5,544,617 | 1,637,383 |
ガス使用量 | 1,233,000 | 733,600 | 669,018 | 563,982 |
水道使用量 | 65,000 | 64,670 | 45,618 | 19,382 |
※ 電気単位=kWh、ガス・水道=㎥
※ 電気は昼間買電+夜間買電、ガスは都市ガス(13A)、水道は市水のみを掲載
【検証】
(1)温室効果ガス排出量は基準年度に対して、令和元年度実績値で21.5%の削減を達成いたしました。
(2)項目別使用量につきまして、
電気使用量 基準年度に対して令和元年度実績値で22.8%の削減、
ガス使用量 基準年度に対して令和元年度実績値で54.2%の削減、
水道使用量 基準年度に対して令和元年度実績値で29.8%の削減、
となりました。
【概要】
令和27年度改訂した地球温暖化対策実行計画は、基準年度に対し21.5%の温室効果ガス排出量を削減し、目標を達成いたしました。各項目につきましても、電気使用量で22.8%、ガス使用量で54.2%、水道使用量で29.8%の削減を達成いたしました。
理由としましては、平成23年度からESCO設備を導入し、それ以降も順次省エネ設備への更新、照明のLED化推進、冷熱源システムの見直しなどを進めていったことにあります。それ以外にも、平成30年度、令和元年度の冬季の温暖化も、消費エネルギーの削減に大きく影響いたしました。
水道に関しましては、平成28年度に井戸ポンプの更新及び井戸内部の高圧洗浄を行うことで、井戸水の採水量が大幅に増加したことが、水道水の使用量の削減に繋がりました。
【今後の検証】
平成27年度改訂の地球温暖化対策実行計画が令和元年度(平成31年度)をもって計画期間が終了したことにより、令和2年度から新たに地球温暖化対策実行計画を改訂し、実行に移ります。
本計画は桐生厚生病院ホームページに掲載し、最終年に検証報告を掲載する予定です。また、中間報告に関しても、時機を見て掲載を行う予定です。